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七月に読んだ本2022

 気がついたらひと月何も記さないままほったらかしになっていました。まあ、何もしていなかったからなんですけど。概ね、家にこもってゲームしてたか配信みてたかで時間が過ぎていった気がします。ブイアワとかドラクエX夏祭りとか大きなイベントの配信があったし、楽しんでましたよ。そこらへんのこと書こうかと思ったり思わなかったりもしたような気も。
 ロケットソーダは延期になってしまいましたが、代替として同日に放送されたジェムカン全員配信はトピックいっぱいでめまいがするほどだったわけで、つまりはそれだけのことをこのライブに仕込んでいたってことだよななどとしみじみ。みこみこの復帰サプライズは、すばる様込みのステージ上で見たかった気がして少しだけ残念。
 などなどはよしとして、7月に読んだ本です。

13.阿部公房「砂の女」
14.アミの会「おいしい旅 初めて編」

 相変わらずスローペース。というかそういうペースなんだって話か。
 少し前にEテレの番組で取り上げられているのをたまたま見て、その熱心な語られ具合に興味を抱いて手に取った13。
 新種のハンミョウを発見しようと砂浜へ旅に出た主人公は、帰りのバスがすでになくなったため砂浜近くの集落に一夜の宿を求める。しかしそのまま、泊めてもらった女の家に取り残されることになる。砂に埋もれかけた集落を守るため日々砂を掻い出す仕事の労働力として軟禁状態になってしまった男はそれから……というお話、なのだけど物語はほとんど動かないです。埋もれ行く集落の延命のため日々押し寄せる砂を掻い出すなんていう、外から見たら無駄な努力とも思えるような作業(実際、主人公自信がそうののしっている)という日々の繰り返し、そこから抜け出そうとあがく男。なんというか、ガラスの蓋で閉じ込めた小さな羽虫がもがく様を眺めているような感じです。でも、バカみたいな常識と日常の中で無駄とも思えることを奴隷みたいに繰り返し、そのなかでささやかな幸せやら目標やらを抱くっていうのは顧みれば我々自身の姿に他ならないわけで、それこそ砂を噛んだような感じになります。それはそれとして、砂による害の描写が妙に細かくて臨場感があって気持ち悪かったです。それから、番組で熱っぽく語られていたような感想は僕には抱けませんでした。
 望外に面白かったのでそのまま続けてもう一冊阿部公房を……と思っていたのだけど、ちょうどそのタイミングで新刊が発売されたのでそちらを先に手に取ってしまったアミの会の新作アンソロジーの14。10冊目になるみたいです。今回のテーマは旅とグルメです。
 今、旅を書くとなれば現在の世情を無視するわけにはいかず、感染症の蔓延状況はそれぞれの作品にしっかり影を落としています。最初に収録されている坂木司(今回のゲスト作家)の「下田にいるか」はそうしたことへのフラストレーションからの解放を描いた気持ちのいい作品。この気持ちよさを味わえるだけで、価値は充分ではないかと。以降、レギュラーの作家陣による作品は、どれも登場人物たちが抱えているものがあって、それが旅と食べ物とリンクして昇華されたりされなかったりと(あ、いや、坂木さんの作品の主人公も十分すぎるもやもやを抱えています)、どれも面白かった。個人的には、「糸島の塩」と「あなたと鯛茶漬けを」が好みだったかな。
「はじめて編」とタイトルにあるとおり、今回は2冊同時刊行だったので、今現在もう一冊の方を読んでいます。すぐに読みたい本がもう一冊あるので、阿部公房はもう少し先送り。そんな夏。

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