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六月に読んだ本2023

 はやいもので一年ももう折り返しに入ったななどとのんきなことを思いながら買い物に出かけ、あれもこれもが値上げされているのを目の当たりにしてスーパーで軽い眩暈を憶えた7月のはじまり。
 近所で雨の中作業をしているクロネコヤマトの人を見かけて大変だななんて思って帰宅したら不在通知が入っていて慌てて取って返すなど。そんな中、パソコンにはそのクロネコを騙った詐欺メールが何通も届いているっていう今日この頃です。
 さて、6月に読んだ本。

12.岡本綺堂「怪獣」

 一冊です。さすがに半年で12冊は少なくねって感じですが、まあそれはそれ。
 今なお一定の人気を得続けている時代小説の基礎を築いた人である岡本綺堂の、現代もの寄りの短編集。といっても、明治生まれの作家なんで明治大正の頃のお話です。少し江戸の頃の話も入っている。怪談的な趣の話が13編入ってます。
 基本伝聞的に、こんな話がありましてと怪異にまつわる話が語られる形式で、本当に不思議な事奇怪な事があったということが語られていて論理的な帰着やら理知的な解決やらはないので、そういうものを求める人には向かないかもしれけれど、とっても面白かった。逆に、後半にすとんと腑に落ちる結末の話があって、どうしたと戸惑ったくらい。
 歴史的仮名遣いなんかもそこかしこにあって時代を感じたりもするのだけど、当時の常識やら価値観てきなものに今との乖離を感じて震えることもしばしば。
 そんな中で個人的に感動したのは、今現在どこをどうやってねじ曲がったものかと首をひねる使われ方をしている「猟奇」が本来の意味で使われていたことだったりします。本当にどうでもいいくらい些細なことなんだけど、なんかすごくうれしくなった。

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