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十月に読んだ本2023

 だいぶ寒くなってきていよいよ冬間近だなと思っていたら、急に暖かくなったりしてもう何が何だか。明後日から何を着ていくのが正解なのでしょうか。帰りは寒そうな気がするし……。
 それはそれとして、10月に読んだ本です。

19.法月綸太郎「頼子のために」
20.有栖川有栖「高原のフーダニット」
21.津原泰水「夢分けの船」

 意図したわけではないのだけれど、三冊とも作者の年代が近い感じです。この世代の人達が書くものが個人的に心地いいのかもしれない。多く触れてきただけかもしれないけど。
 作者と同名の主人公が探偵役のシリーズものの19。長編です。もともと1990年の作品で、新装版の文庫(それでも2017年の本)で読みました。ある事件の犯人による手記への疑問から、事件の真相を探すという内容。そこには様々な人の思惑も絡んでって感じで。初期作品だからかしゃちほこばった感じはあるんですけど、すでに確固たる世界観を持った作品で楽しめました。
 火村英生を探偵役にしたシリーズの短編(中編)集の20。ちょっと変わり種の作品が三編はいっています。「ミステリ夢十夜」なんかはそうとう変わっている、というかミステリかどうかも怪しいところはあるものの、総じてしまえばやはり火村英生のシリーズでいつもどおりに楽しんだとしかいいようのない感じで。
 で、21。津原泰水の遺作となる長編です。というものの作品自体のおこりは結構前で、下手をすると「ブラバン」の直後くらいにはタイトルを耳にしていた記憶があったりなかったりする。そう言う意味では、ようやく完成してようやく出てくれたという一冊(そうした作品がまだ数作あって、それらの書籍化も進行しているらしい。まだ楽しみはつづくようです)。
 映画音楽の作曲家を志して音楽の専門学校に入学し愛媛から上京した秋野修文は学校に紹介された物件に住まう。ピアノつきで完全防音でありながら格安のその物件には、かつて同室で自殺した女生徒の幽霊が出るといわれるが、修文には見えず。といった始まり。あえて分類するなら、青春小説ということになろうかとは思うけれど自信はない。変にこうだろうと決めつけをせずに書かれている物語に身をゆだねるのがよい気がする。それが心地よい。
 つくづく文章の上手な人だと感動する。本当に、ただ文章を読んでるだけで幸せになれる小説ってそうそうないと思うんだ。これがあるんだから大丈夫。
 しばらく次の本が手に取れなくなるっていうのが難題といえば難題。

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