創作

おとのはなし

ある音楽関係者の呟き

 サウンドってやつは厄介だ。ほんと難解だよ。簡単に形が変わっちまうから、頭を悩まされつづける。
 なにせ、サウンドトラックはサントラと略されるのに、サウンドエフェクトだとSEになる。
 サウンドスケジュールってバンドの略称はサウスケてのが一般的だ。
 まったく捉えどころがなくて困っちまう。

| | コメント (0)

シンゲン寺攻防記(仮)

 かつての中国か香港あたりの映画っぽい設定に置き換えてみると、意外とオーソドックスなストーリが浮かんできたので、そのような内容で進めてみる(何を?)。

 とあるところに、武道で名を馳せた和尚が住む小さな寺がある。
 あるときそこに修行をしたいとやってきた者がいる。仮に和尚は先達から受け継いだものを次の代に伝えるのは義務であるとも思っているため、来る者は拒まず自身の武を教え伝える。その者もまた受け入れた。
 修行に来たと言う者は、ふまじめであったものの和尚の前では真剣に修行している素振りを見せていた。
 はたして、和尚の目を盗み奥義書を盗んだ(うわっ、盗んだが重なったよ。悪文だわ)その修行者(実は盗賊団の首領だった)は、そこに書かれた奥義を使い和尚を亡き者にしようと挑みかかる。が、和尚は強く、首領は敗北し盗んだ奥義書を手に逃げだす。
 敗北の恨みを晴らすべく首領は和尚をつけ狙う。そして、仲間とともに周囲の村に和尚の悪い噂を立て暴動を起こし、その暴動に紛れて和尚を殺す計画を練り実行する。

 さて、普通なら暴動が成功して和尚は殺され、旅に出ていた弟子あたりが師匠の仇討ちをするっていうふうに進んでいくのだろうと思うのだけれど……。

 和尚の人徳なのか、盗賊団の計画がずさんなのか、暴動は起きず、物語はスラップスティックのごとき展開になってきている。おそらく、最後はどたばたの中心で和尚が呵々大笑して終わるんじゃなかろうか。そうでないと、相当尻すぼみになるよね。

 この中で自分の役どころはっていうと、多分、弟子だと言い張って寺に居座って修行用の房か何かで惰眠をむさぼってる食いしん坊の小僧じゃないかと。時おり出てきては、役に立たない言葉を発して事態をまぜっかえすくらいの賑やかし的な。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

海の女王(仮題)

 元来が不謹慎で卑怯な人間なので、状況をまぜっかえしてふたたびこのようなものを記してしまう。ていうか、すでに時機を逸していると思うのだけどね。

 それは長い歴史を持つ豪華客船であった。海を行く美しさから「海の女王」とさえ呼ばれる優美なその船には、多くのファンがいた。
 長い時が降り積もり傷みやひずみが生じているのだろう、かの船は静かに静かに沈みはじめていたのである。海水が染み込みはじめ、最下層などはすでに海の中にあるも同然であった。だが、傍目にはその変化はほとんど現れておらず、多くの者の目には未だ優雅に航海をつづけているようにしか見えない。
 そんな中、かの船が沈みつつあることに気づいた者たちがいた。それは、長くその船を愛しつづけた名もなき者達。彼等はいてもたってもいられずに、小さな船に乗り込み漕ぎだした。
 海の女王に近づき、彼等は愕然とする。事態は予想以上に深刻であった。彼等は話しあい、何よりもまず中にたまった海水を排出するのが先決であるとの結論に至る。そのためには、外装を叩き壊し海水が流れ出す道を作るしかないと。
 その判断が賢明であったのか愚かであるかは、わからない。それは後の人々が判断することだ。ただ、彼らがその船を救いたいと真剣であることだけは間違いがない。
 そして彼等は、実行する。手にした鉈や鉞を海の女王の外装に振り下ろしはじめた。
 一方――当然のことだが――客船には、優雅な船旅を楽しんでいる乗客が何人もいる。その乗客の一部が外の音に気づき、訝しんでデッキに現れる。
 ワイングラスを手に下方をのぞきこんだある乗客は、そこに凶器を手に船を叩き壊そうとする一団の姿を見とめる。
「暴漢どもが、何をする! 今すぐやめないか!」乗客は叫んだ。
 その声に、船を救おうとしていた者たちがデッキを見あげた。そして、ワイングラスを手に自分たちを蔑んでいるほろ酔いの乗客の姿を目にしたのである。彼等は激怒する。
「この船が沈もうとしているこの時に、あんたはそんなところで何をしている!」
 だが、乗客はかの船が沈もうとしているなどとは夢にも思っていない。彼等にとってこの船は、未だ優雅に進む海の女王なのだ。しかし、そんな乗客たちの認識を船を救おうとしている者たちは知らない。
 互いの認識を語らないまま、それぞれがそれぞれの行ないを罵倒し、なぜ自分の言うことを理解しないのかと揶揄しあう。言葉は通じているはずなのに、話はかみ合わない。
 そんな折、一人のシンガーがギターを手に客船のステージに上がる。
 歌うは、「キャプテンとブラッキー」
 ♪沈まば沈め 海底を行くさ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

騎士道物語(仮題)

 騎士とは国を守り、民を守るために剣を手にする者たちである。だからこそ、清廉なる白銀の鎧に身を包んでいるのである。騎士道精神とは彼等の矜持であると同時に、高潔なる誓いであり覚悟であった。
 しかし、長い歴史の中、騎士はその姿を変え、意味を変えた。
 彼らが守ろうとする者が、民たちから一部貴族へと変わってしまったのである。貴族の私兵が騎士の称号をいただき、剣を手にしてさえいた。
 古老の騎士は嘆く。「この国の騎士は死んだ。騎士道は忘れ去られ、虚ろなる絵空事となり果てた」
 一見変わらぬ平和にある国の中、憂国の民が立ちあがる。国を騎士を正すため。よりよい国を取り戻すため。
 町の広場で民たちは叫ぶ。「真の騎士とは、騎士道とは、気高く尊きものであったのでないか」と。「貴族に飼われた私兵はいらない。国のために命捧げる真の騎士を求めん」と。
 騎士たちは彼等を追い払う。「世迷言で扇動し、国を乱す者どもが」
 民の一人が問う。「あなたの騎士道とはなんだ。何を誇りとその剣をにぎる」
 しかし騎士は嗤うばかりだ。「貧しき民よ。そのような言葉を吐く、お前の胸にはいかな勲章が輝いているというのだ」

 この辺までだらだらと想像し、何となく「Zガンダム」に構図が似てるななどと思う。
 一度そう思ってしまうと妄想は止められず、あれやこれや思い浮かんでおかしくてたまらなくなってきた。ただ残念なことに、この妄想を共有できる人が周りにいないのだった。



 ……ゴメン、どうしても我慢できなくなったので、一ネタだけ。
「烏賊娘が男の名前でなにが悪い! 俺は男だよ!」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

七文字詩

ためらう昔
昔ためらう
目方恨むし
鵜蒸したら噛め
牛絡むため
鵜絡めた虫
鷹恨め虫
鹿恨むため
鹿埋めた村
確かめ恨む
羽化した村女
蒸らした芽買う
舌絡め膿む
無埋めた頭
亀産む設楽
飯噛む浦田
昔恨めた
飯生む宝
たしか梅村

| | コメント (0) | トラックバック (0)

満天の星の下で

 俺さ、星になるなら天の川の中の星の一つになりたいと思う。
 星座? 興味ない。うん、そう考える人もいるんだってのはわかるけどさ。
 確かに、アルタイルとかベガとかデネブとか確かに名前があるし、わし座とかこと座とかはくちょう座とかは有名だとは思うよ。夏の大三角ってのもあるね。
 でもさ、その名前も連なりもどこかの誰かが勝手に作ったものじゃん。星そのものとは何の関係もない。
 それに、こうして見あげたときにどれがわし座でアルタイルなのかなんて、知ってる人にしかわからないじゃない。
 でもほら、天の川はわかる。天の川とかミルキーウェイって名前を知らない人にだって、星が連なり大河を作ってるって感じられるだろ。
 そんな連綿とした大きな流れの中に自分があるんだと感じられることの方が、遥かに価値があることだよ。きっと。

| | コメント (0) | トラックバック (0)